ECサイトの改善では、商品ページだけでなく、流入したユーザーが商品を見つけ、比較し、条件を理解し、安心して購入を完了できるまでの流れを確認する必要があります。購入後の案内や再購入、運用、計測まで含めて見ることで、どこで機会損失が起きているかを整理しやすくなります。

このページは、Shopify、カラーミーショップ、BASE、EC-CUBEなどの仕組みに依存せず、食品、アパレル、化粧品、専門商材、ギフト、定期購入、BtoB向け注文などに広く使えるよう構成しています。チェック欄は非操作の表示で、印刷や社内レビューの印として利用できます。

EC改善では「商品が見つかる」「違いが分かる」「条件に納得できる」「迷わず購入できる」「購入後も安心できる」の流れを、ユーザー視点と運用視点の両方から確認します。

チェックシートの使い方

サイト全体を一度に評価するのではなく、主な顧客、商品群、流入元、購入方法をひとつ選んで確認します。ユーザーとして実際に商品を探し、カートへ入れ、購入直前まで操作すると、管理画面だけでは見えない課題を発見しやすくなります。

  1. 対象を決める:売上を伸ばしたい商品、カテゴリ、キャンペーン、顧客層を選びます。
  2. 入口を決める:検索、広告、SNS、メール、指名訪問など、確認する流入元を絞ります。
  3. 購入を試す:商品検索からカート、決済直前、完了後の案内までを通して確認します。
  4. 課題に印を付ける:当てはまる項目と、該当する画面や商品を記録します。
  5. データと照合する:アクセス解析、検索語、カート離脱、問い合わせ、返品理由などと比べます。

新規構築時は「公開前に決める項目」として、既存サイトでは「修正箇所と優先順位を整理する項目」として利用できます。

1. 目的・顧客・指標

売上だけを見ると、訪問数、購入率、購入単価、再購入のどこに課題があるか判断できません。顧客と商品ごとに、伸ばしたい行動を整理します。

  • 主な顧客、購入目的、利用場面が整理されていない
  • 新規購入、購入単価、再購入など、優先する目標が決まっていない
  • 売上だけを見て、訪問数、購入率、平均注文額を分けて確認していない
  • 重点商品やカテゴリがなく、すべての商品を同じ強さで訴求している
  • 問い合わせ、電話注文、見積依頼など、購入以外の重要な行動を把握していない

見直すときの考え方:「誰が、何を目的に、どの商品を、どの方法で購入するか」を一文にします。目標は売上を、訪問数、購入率、注文額、再購入へ分解して確認します。

2. 集客と着地ページ

ユーザーは検索結果や広告、SNSで見た内容を期待してECサイトへ移動します。入口ごとに、最初に見せる商品と情報を合わせます。

  • 検索結果や広告の見出しと、着地ページの商品・価格・特典が一致していない
  • 商品を探しているユーザーを、毎回トップページへ案内している
  • SNSやメールから訪れたユーザーが、紹介された商品をすぐ見つけられない
  • キャンペーンページと対象商品、利用条件、終了後の案内がつながっていない
  • 流入元別に、離脱、商品閲覧、購入の違いを確認していない

見直すときの考え方:流入元ごとに、検索語や訴求、ビジュアル、価格、対象商品を着地ページへ引き継ぎます。目的が明確な流入は、商品やカテゴリへ直接案内します。

商品数が増えるほど、カテゴリ名だけでは探しにくくなります。ユーザーが持っている用途、悩み、条件から商品へ進める入口を用意します。

  • 社内の商品分類がそのままカテゴリ名になり、初めての人には意味が分かりにくい
  • 用途、利用者、予算、サイズなど、購入時の条件から商品を探せない
  • サイト内検索で表記ゆれ、型番、関連語を使うと商品が見つからない
  • 検索結果が0件になった際に、別の探し方や問い合わせ方法が表示されない
  • 現在地、カテゴリ階層、前の一覧へ戻る方法が分かりにくい

見直すときの考え方:商品分類に加えて、用途、対象者、課題、価格帯などの入口を設けます。検索語や問い合わせ内容から、実際に使われている言葉を確認します。

4. カテゴリ・一覧・比較

一覧ページは、商品を並べるだけでなく、候補を絞り、違いを理解するための画面です。判断に必要な情報を一覧でも確認できるようにします。

  • 商品画像と名前だけで、用途、容量、サイズなどの違いを比較できない
  • 絞り込みや並び替えの項目が、ユーザーの選び方と合っていない
  • 在庫切れ商品が多く、購入できる商品を見つけにくい
  • カテゴリの説明や選び方がなく、似た商品をどう選ぶか分からない
  • ページ送り、絞り込み、一覧へ戻る操作で、閲覧位置や条件が失われる

見直すときの考え方:比較に必要な情報を3〜5項目に絞り、一覧へ表示します。似た商品が多い場合は、比較表や「向いている人」を加えます。

5. 商品詳細ページ

商品詳細ページでは、特徴だけでなく、利用場面、仕様、選択方法、購入条件まで確認できる必要があります。実物を見られない不安を情報で補います。

  • 商品名、画像、価格、在庫、購入ボタンが最初の画面で把握しにくい
  • サイズ、素材、内容量、対応機種など、購入判断に必要な仕様が不足している
  • 写真が少ない、拡大できない、使用感や大きさを判断できない
  • 色、サイズ、セットなどの選択肢と、在庫・価格の変化が分かりにくい
  • 関連商品、代替商品、組み合わせ商品の提案が、購入目的と関係なく表示されている

見直すときの考え方:商品を知らない人が、用途、特徴、仕様、実物感、条件を順番に判断できるようにします。商品ごとに必要な情報項目をテンプレート化すると運用しやすくなります。

6. 価格・在庫・キャンペーン

価格は、送料や手数料を含めた支払総額と、割引や特典の条件まで理解できることが重要です。在庫や販売期間も購入判断へ影響します。

  • 税込価格、送料、手数料、追加オプションを含む総額が分かりにくい
  • 割引前価格、割引率、適用期間、対象商品などの条件が曖昧になっている
  • 在庫切れ時に、再入荷通知、代替商品、問い合わせなどの次の行動がない
  • クーポンの入手方法や入力場所が分かりにくく、購入途中で探し直す必要がある
  • 送料無料、セット割、ポイントなどの特典が、購入条件と一緒に説明されていない

見直すときの考え方:購入ボタンの近くで、商品価格、送料、納期、割引条件を確認できるようにします。キャンペーン終了後や在庫切れ時の表示も事前に設計します。

7. 信頼・配送・返品

初めて利用するECサイトでは、運営者、商品の品質、配送、返品、問い合わせ対応が判断材料になります。情報をフッターだけに隠さず、必要な場所から確認できるようにします。

  • 運営者情報、問い合わせ方法、利用条件が見つけにくい
  • レビューや販売実績に、対象期間や具体的な利用状況などの判断材料がない
  • 配送方法、送料、発送予定、到着目安を購入前に確認できない
  • 返品、交換、キャンセルの条件と連絡方法が分かりにくい
  • 問い合わせへの回答時間や、よくある質問への案内が不足している

見直すときの考え方:運営情報、実物写真、利用者の声、配送、返品、FAQを組み合わせます。商品ごとに条件が異なる場合は、該当する商品ページから確認できるようにします。

8. カート・決済

カート投入後は、新しい疑問や入力負担を増やさないことが重要です。内容確認、会員登録、配送、決済を短く分かりやすく進めます。

  • カート内で商品、数量、選択肢、価格、送料を確認・変更しにくい
  • 購入に必須でない会員登録や入力項目が、手続きを長くしている
  • 利用できる決済方法や配送方法が、決済画面へ進むまで分からない
  • 入力エラーの場所と修正方法が分かりにくく、入力内容が失われる
  • 注文確定ボタンの前に、最終金額、配送先、到着予定、利用条件を確認できない

見直すときの考え方:ゲスト購入を含めて、必要最小限の入力で完了できるか確認します。決済失敗や在庫変動など、正常に進まない場合の案内も用意します。

9. 購入後・再購入・運用

注文完了後の案内は、問い合わせ削減と次回利用の安心につながります。顧客向けの体験と、商品情報を維持する運用の両方を確認します。

  • 注文完了画面や確認メールで、注文内容と今後の流れを確認できない
  • 発送、遅延、キャンセルなど、注文状態が変わった際の案内が不足している
  • 消耗品や定期的に購入する商品でも、再注文しやすい導線がない
  • 商品情報、在庫、価格、キャンペーンの更新担当と確認手順が決まっていない
  • 問い合わせ、レビュー、返品理由を、商品ページや運用改善へ反映していない

見直すときの考え方:完了後に注文内容、発送予定、変更方法、問い合わせ先を伝えます。運用側では、更新頻度と担当を決め、顧客の声を改善項目として蓄積します。

10. スマホ・速度・計測

スマホで商品を探し、比較し、入力する一連の操作を実機で確認します。改善判断に必要な行動を計測し、平均値だけでなく商品や流入元ごとに見ます。

  • スマホで画像、表、商品名、価格、ボタンが画面からはみ出している
  • 絞り込み、選択肢、数量変更、決済入力をタッチ操作しにくい
  • 商品画像や外部タグが多く、一覧・商品ページ・カートの表示が遅い
  • 商品閲覧、カート追加、決済開始、購入完了などの主要行動を確認できない
  • 流入元、端末、商品、カテゴリ、新規・再訪ごとの差を比較していない

見直すときの考え方:主要端末で商品検索から注文直前まで操作します。計測は売上だけでなく、その前段階の行動も確認し、離脱が増える箇所を特定します。

販売形態別の追加確認

基本項目に加えて、販売方法に応じた条件を確認します。複数の販売形態を扱う場合は、それぞれの購入導線を分けて評価します。

  • ギフト:贈る相手、用途、予算から探せるか。包装、のし、メッセージ、複数配送、納品書の扱いが分かるか。
  • 定期購入:配送周期、初回と継続時の価格、最低回数、変更・休止・解約の方法を購入前に確認できるか。
  • 予約・受注生産:制作期間、発送予定、変更可否、在庫表示の意味、事前決済の条件が明確か。
  • デジタル商品:対応環境、利用方法、提供時期、再ダウンロード、返金条件を確認できるか。
  • BtoB注文:最小ロット、見積、掛け払い、納期、仕様確認、サンプル依頼など法人向けの判断材料があるか。

改善の優先順位を決める方法

チェックが多い場合も、すべてを同時に修正する必要はありません。売上への影響と、ユーザーが購入を完了できるかを基準に順番を決めます。

  1. 購入できない問題:在庫、価格、カート、決済、スマホ操作などの不具合。
  2. 条件の誤り:商品仕様、送料、納期、キャンペーン、返品条件の不一致。
  3. 商品を見つけられない問題:検索、カテゴリ、絞り込み、着地ページのずれ。
  4. 判断材料の不足:画像、仕様、比較、信頼、配送、価格の説明不足。
  5. 継続改善の不足:購入後案内、再購入、表示速度、計測、運用手順。

Priority

デザインを全面的に変更する前に、購入できない不具合、誤った条件、商品発見の障害、カート離脱を確認します。影響の大きい一箇所を修正し、商品・流入元・端末ごとに変化を見ると改善理由を判断しやすくなります。

見直すタイミング

  • 新商品、カテゴリ、販売チャネルを追加したとき
  • 価格、送料、配送、返品、決済方法を変更したとき
  • キャンペーン、ギフト、定期購入を始めるとき
  • アクセスはあるのに購入数が増えないとき
  • 商品ページ、カート、決済で離脱が増えたとき
  • 問い合わせ、返品、在庫切れが増えたとき
  • テーマやアプリ、外部タグを追加・更新したとき

FAQ

最初に確認するべき画面はどこですか?

売上の多い商品について、主な流入先、商品詳細、カート、決済直前までを確認します。購入できない不具合と条件の誤りを最優先にします。

商品数が少ないECサイトにも使えますか?

利用できます。検索やカテゴリよりも、商品理解、比較、価格、配送、カート、購入後の案内を重点的に確認してください。

Shopify以外のECサイトにも利用できますか?

利用できます。プラットフォーム固有の機能ではなく、商品発見から購入後までの体験を基準にしているため、各種ECサービスや独自構築サイトへ読み替えられます。

チェックが多い場合はリニューアルが必要ですか?

必ずしも必要ではありません。商品情報、検索、カート、配送案内など、課題が集中している領域から部分改善と検証を進められます。

レビューが少ない場合はどうすればよいですか?

実物写真、仕様、利用方法、運営情報、配送・返品条件など、確認できる事実を充実させます。レビューだけに信頼を依存させないことが重要です。

改善効果はどのように確認しますか?

購入数だけでなく、商品閲覧、カート追加、決済開始、購入完了までの変化を確認します。商品、流入元、端末ごとに比較し、一度に変更しすぎないようにします。

商品発見から購入完了まで整理できます。

複数領域に課題がある場合は、Shopify / ECサイト改善のご相談で、優先順位と実装範囲から整理します。